心はマリー・アントワネット

見たいものが日本に来ない?じゃあ自分が行けばいいじゃない!

Wilcoインタビュー・追記

本文中に入れなかった注を少し。

 

・グレンが好きだと言ってるJoe Russo's Almost Dead、私もこのインタビューを読むまで恥ずかしながら知りませんでした。ドラマーのJoeが中心となって主にGreatful Deadの曲をやるジャムバンドだそうです。YouTubeにライブ動画がたくさんあるので見てみました。かっこいいですね!フジのヘブンに呼んでほしい。同じ発言で名前が出ているJRADのキーボード、Marco Beneventoは去年のFRUEフェスに来てました。見ました。ベース(小柄な若い女性でめちゃ上手い&かわいい)とドラムとのトリオでしたが、この日一番盛り上がってたと思います。Chris CorsanoはグレンがOn Fillmoreで組んでるベーシストのDarin Grayが別に組んでるベース&ドラムのユニットChikamorachiのドラマー(ややこしいな)。2017年のSolid SoundでChikamorachiとジェフが美術館の展示室でセッションしてました。見逃しました…。日本にも来てます。サックスの坂田明さんとよく共演してます。どうでもいいけど坂田さん、Darin、Chrisの3人ともスキンヘッドなので3人でステージに立ってる写真はかなりインパクトがある。

・グレンが家族とバンドの間で迷っていたこと、欧米では単身赴任というのがほとんどなくて家族は一緒に暮らすもの、という考えが一般的だそうですが、それに加えて、グレンのところは2人のお子さんがまだ小さいので(当時上のお子さんが10歳くらい、下のお子さんが5歳くらい)、奥さんが子ども連れて実家の家族や友達等いざというとき頼れる人がいない外国に単身赴任するのは無理だし、グレンがひとりでアメリカに残って小さい子を二人育てるのも無理、という事情があったと思われます。2017年の秋に別のインタビューでグレンが「来年は奥さんが留学するから一家全員で半年くらいフィンランドに住む」と言ってたのを読んでいて、ツアーがあるときだけグレン一人でアメリカに戻るのかな、と思ってたのですが、その後活動休止のニュースを聞いて「Wilcoが休むから留学するのかー」と考えてました。このインタビューを読んで、順番が全く逆だったのね、と驚きました。

 

このインタビューで好きなところ。

・活動休止について話し合ったとき、メンバーの誰一人として「奥さんに留学をあきらめてもらえば」と言わなかったこと。

・ネルスの「活動休止中、バンドの皆に会いたかった。純粋に友達として」.という発言やSolid Soundの後の休暇をメンバー・家族と一緒に過ごしたこと、グレンが「メンバー全員リスペクトし合って、一緒にいると楽しくて大声で笑ったりする」等々、若いバンドならともかく、この年齢のバンドでこんな関係珍しい。音楽的なことはもちろん、共同体としてもすごくいいバンドだな~と思いました。

・グレンがヘルシンキの生活を語っているところ。あのゆったりと落ち着いた美しい街を、両手で2人の子どもと手をつないで「今日は学校でどんなことがあった? 友達できたかい?」とか話しながら歩いてたんだなー、お子さんたちも普段はほとんど家にいないパパと毎日ずっと一緒で嬉しかっただろうなーと微笑ましく読みました。ちなみに下の息子さんはTweedyの「Low Key」のPVに、グレンに抱っこされて出演しています。

・ちょっと意外だったのは、ジェフが社会的な問題を歌にしない、と言ってたこと。SNS等で選挙やウィメンズマーチについて発言することも多いので社会派だと思ってたんだけど言われてみれば歌詞に直接的な描写はないですね。先日ポン・ジュノ監督がアカデミー賞でスピーチした「最も個人的なことが最も普遍的なことになりうる」というスコセッシ監督の言葉を思い出しました。そういえばだいぶ前に中川五郎さんだったと思いますが、ジェフのことを「非常に個人的な体験や感情ををみんなが共感できる普遍的な歌にする天才」みたいに書いていたことを思い出しました。

 

以上です。

翻訳、しんどいけど楽しかったので、次はグレンのインタビューを訳してみたいなあと思ってます。

その前に昨年シカゴに行った時のzineを作らないとだけど。