心はマリー・アントワネット

見たいものが日本に来ない?じゃあ自分が行けばいいじゃない!

ジョン・スティラットさんのインタビューを訳しながら思ったこと

ときどきTwitterで言ってますが、なぜ私がジョンさんにはさんづけするのか。ジョンさんはね、本当にジェントルマンなんです!

2019年のSolid Sound Festivalに行ったとき、友人たちと前日に現地入りして街をぶらぶらして、夕方「ビール飲もうぜ~」と会場のMASS MOCA敷地内にあるクラフトビール・バーに入ったら、カウンターでグレンとジョンさんがビール飲んでたんです。他のファンの人たちも気軽に話しかけていたので、私たちもジョンさんに「一緒に写真撮ってください。日本から来たんです!」と声を掛けたら、「本当? 遠くから来てくれてどうもありがとう。日本のどこから来たの?」とにこやかに答えてくれて、神戸だと言ったら「コウベ…ってどこだっけ?」、私「大阪の隣です」「ああ、大阪! そうか~大阪だね! うんうん、わかった! 1日早く来てくれてありがとうね」と。その後ろをグレンが「子どもたちが待ってるからもうホテルに戻るよ」と通り過ぎようとしたら、「あ、ちょっと待って。日本からのファンと一緒に写真撮るよ!」と引き留めてくれたのです。私たちと話すときは終始ゆっくりはっきりした聞き取りやすい話し方をしてくれたし。しかも翌日、ライブ終わってまた私たちがこのバーの外でビール飲みながら「すごくよかったよね~、楽しかったね」としゃべってたら、通りかかったジョンさんが私たちを見つけて話しかけてくれたんですよ。フレンドリー!

 

そう言えば森脇真末味さんの漫画「おんなのこ物語」に「ベーシストの性格」というセリフがあったのを思い出しました。曰く「人の後ろで黙々とリズムをきざみつつ 他人のことはよく見ている しかしその見方がひねくれている 自分はエンの下 力持ちでいいと言いながら そのじつ自分がいなければこのバンドはなりたたないと思っている」だそうで、まあジョンさんがそう思っているかはわかりませんけど、実際もし彼がいなかったらWilcoはとっくの昔に空中分解していたんじゃないかなあとは思います。

 

余談ですが、「おんなのこ物語」は40年以上前の作品だけど、当時パンク・ニューウェイブにはまっていた人間にとってこんなにしっくりくるバンド漫画は他になかったです。今もない。当時ならではの描写もありますが、今読んでもすごく「わかる…」という実感が。グレンを見ていて「この感じどこかで…あー、八角みたいだなあ」(八角京介は主人公のドラマー)と思ったこともあります。特にステッカーのライブシーン、「おちつけ よく聞くんだ 曲をリードしているのはだれだ 妙なビートで全体をひっぱっているのは?」のくだり。Wilcoのライブでも、中心はジェフなのに明らかにグレンが曲全体を独特のグルーヴで引っ張っているなと思うことがよくある。作中で八角を指して「向きあってるヤツはだませても 背後にいるヤツはごまかせない」というせりふもあったりして、ドラムというのはそういうポジションだなあ、と。